「銀河鉄道の夜」と演劇について

‪長年の夢であった平田オリザ版の「銀河鉄道の夜」の舞台をやっと観れたので、「銀河鉄道の夜」の演劇作品について詳しく書きたいなぁと思ってブログに手を出しました。‬


‪趣味と賢治愛が垂れ流しなだけなので、興味がないとつまらない内容です。ごめんなさい……!!‬

‪お前が宮沢賢治の何を知っているんだ!って感じですし、かなり私個人の主張が溢れています……悪しからず!‬


‪それを踏まえて読んでもいいよーというお優しい方は先に進んでください(><)‬


‪推し劇団だからというのはあるかもしれないけれど、解釈として抜群に好きなのはキャラメルボックスの「賢治島探検記」の「光速銀河鉄道の夜」です。‬


‪というのも、キャラメルボックス版は原文にとても忠実です。あのわかりやすい芝居をするキャラメルボックスが、宮沢賢治作品だけはカットしているところはあるものの、文章はほとんど原文に忠実で、賢治独特のわかりにくい文章をそのまま採用してるんです。‬


‪これは作・演出の成井豊さんの宮沢賢治愛の賜物だと思います。‬


宮沢賢治はストーリーの面白さが作品のメインではない作家さんです。‬

‪むしろ、文章の美しさとか、表現の豊かさが大切な部分だと思っていて。‬


‪でも演劇って文章の美しさとかを生かすのには適さない媒体だと思います。‬

‪演劇は文章だけじゃなくて体を使うものだから、長文ばっかだとお客様は飽きてしまう。‬


‪その中で成井さんは原文を使用したお芝居を成り立たせて面白い作品にした、という点でめちゃくちゃ凄いんです!‬


宮沢賢治作品の持つ美しさを保ちながら、朗読劇ではなく演劇として確立させたところがまず一番の「光速銀河鉄道の夜」の良さです。‬


‪更に、この作品がすごいのはブルカニロ博士というキャラクターが出てくるところです。‬


銀河鉄道の夜って何度も改稿……つまり書き換えられた作品で、みなさんがよく知っている銀河鉄道の夜では、削除されているのですが、「光速銀河鉄道の夜」ではこのブルカニロ博士を登場させているということが凄い!‬

‪(ブルカニロ博士について詳しく知りたい方はこちゃください、語ります)‬


‪改稿ではいなくなった登場人物を何で登場させたの?と感じると思いますが、実はこのブルカニロ博士宮沢賢治の思考をめちゃくちゃ反映させたキャラクターなんです。‬


‪ただ、宮沢賢治色が色濃いキャラクターな分、台詞もめちゃくちゃ難しくて。‬

‪正直作品を読んでも一度や二度じゃ何を言わんとしているのかわからないので、まして言葉が流れていって巻き戻しができない演劇には不向きなキャラクターです。‬


‪なのに成井さんはこのブルカニロ博士を採用していて、役者に難解な言葉を喋らせます。‬

‪私はこれが凄い試みだと思う!演劇としてもキャラメルボックスという劇団としても。‬


‪「賢治島探検記」は子ども達のためにも上演していたことがあったんだけど、正直戯曲だけ見たら「これ子どもわかるのかなぁ」ってなる笑‬


‪でも、だからこそ宮沢賢治の思いを汲んでいるんじゃないかと思うんです。‬


宮沢賢治の作品は小説じゃなくて、童話。‬

‪つまり、子どものために書かれた作品です。‬


‪多分初めて作品に触れた人には「光速銀河鉄道の夜」の内容は100%理解することは難しいかなって思うけれど、だからこそ宮沢賢治の思いを汲んだ「演劇」を作った点で、成井さん版「銀河鉄道の夜」を圧倒的に推奨したいです。‬


宮沢賢治作品に興味がある人、彼の思考に本当に触れたい人は間違いなく「賢治島探検記」を観るべきです!‬


‪では平田オリザ版はどうだったかという話をします。‬


平田オリザさんの「銀河鉄道の夜」は、ももいろクローバーZが映画化した「幕が上がる」にも出てきて有名だと思うのだけど、今日みてなるほどってなりました。‬


‪当パンに書いてあったのだけど、この作品は元々フランスで銀河鉄道の夜を舞台上映するために書かれたものらしい。しかも割と最近!‬


‪だからだと思うのだけど、外国の方や子どもがわかりやすく作品を理解できる仕組みになってました。‬


‪例えば原作では主人公のジョバンニは「活版印刷所」で働いてるんだけど、オリザ版では「洗濯所」で働いている。‬

‪確かに活版印刷ってもう今では聞かない言葉ですから納得です。‬


‪他にも作中に出てくる「銀河のお祭」についてわかりやすく解釈を加えていたり、「本当の幸い」も何度も主題として出すことで、何を描いている作品なのか誰でもわかるようにしていたり。‬


‪多分実際に子どもや外国の方が観るのなら絶対にこっちの方がわかりやすいんだろうなって思いました。‬


‪あの難しい賢治の作品を、出来るだけ賢治の思考から逸れないように、料理されている。‬


‪ただ、どんなにいい解釈をしていてもやっぱり作者のバイアスがかかるなとも思いました。‬


‪オリザさんは本当にいい解釈なんだけど、簡単にしている分オリザさんの言葉もあるから、本当にこれが賢治の言いたかったことだろうか?他にもっとあるんじゃないか?とも感じました。‬


‪賢治の想いは賢治の言葉にしかないのではというか……こればっかりは難しい問題だと思います。‬


‪わかりやすい方が絶対みんなに理解してもらえると思うので、一番賢治の思考を広くに届けられる作品なのではないかと思いました。‬


‪だからこそ、初めて宮沢賢治の作品や思考に触れる人や、わかりやすく理解したい人はこっちがおすすめです。‬


‪実際今日夜なのに多分近所の子どもたちが観にきていました!‬

‪後ろに座ってた小学2、3年生くらいの子は終わった時「おはなしがわかったよー」って言ってて初々しくて可愛かったです笑‬


‪ちなみに‬北村想さんの「想稿・銀河鉄道の夜」は昔確か本で読みました。

これは私はあまり好きでなかった気がします。舞台で観てないし、遠い記憶だからこれ以上は書けませんが……。


‪と、ここまで書いたけど何言ってたんだって感じの内容になっちゃった笑笑‬

‪お前が宮沢賢治の何を知ってるんだって感じですよね……!‬


‪でも宮沢賢治への愛を書こうと思ったら、あと1万字、全部を書こうと思ったら5万字はいるのでとりあえずこの辺で。‬


‪最後にもし宮沢賢治に興味を持っているけど、難しくて断念しちゃうという方がいたら演劇はいつもやっているわけではないので、まずは木野陽さんの漫画「銀河鉄道の夜」がオススメです。‬

‪絵が可愛い上に、わかりやすいいい作品です!‬


‪初めてのブログ終わりっ!!!‬